夏至に紫陽花の花を吊るして「花守り」にすると良いと聞き知って試してみたのが昨年。一年のうちで最も日が長くなるこの日には、お祭りをする地域も世界各地にあるというし、実際ある種のパワーに満ちる時期だと思う。

それで占いサイトなんかには、夏至の日に願掛けをするといいと書いてあったりもする。自分の心によく向き合って、本当の願いをはっきりせ、言葉にするとよいというのだ。なるほどな～と頷きながら、そういえばこの春からある願い事が芽を出しつつあるのに気がついた。

それはコミュ力促進である。

もう幼い頃から他人、特に大人が怖くて仕方なかったので、将来はなるべく人と交わらないですむ職業につきたいと思ったものだ。例えば山中の天文台の観測員とかだ。それから◯十年たち、色々な経験を積む中で、なんとか人並みには人付き合いできるようにはなった。が、やはり根っこのところで他人が怖いので、ギリギリ仕事には悪影響が出ないレベルではあるが、どうしても腰が引けた人付き合いになってしまう。

しかし、世の中には当然コミュ力の高い人もいて、そういう人は水の中を魚が泳ぐようにして人の間を渡っていくので、得をしている……というと語弊があるが、色んな知見を引き出しては身につけることができるので、同じ年月を過ごしていても、人脈と経験値がより高い。

まあ、世の中には話術が上手い人もいれば計算の得意な人もいるわけで、それでいいのだけど、最近、生来のコミュ力はないとしても、ある程度は技術でカバーできるのではないだろうかという気がしてきたし、自分の目標に近づくには、そういう技術がこの先必要になるような気がしている。

年齢のお陰で、他人に対して抱く恐怖も若い頃に比べたら薄まったし、窓口対応を経験したこどて、仕事と思えば初めて顔を合わせる他人相手でもきちんと喋れるようになった。問題は仕事以外のどうでもいい話をしようとすると、他人への興味や好奇心を持っていないとできない。このへんが生まれつきの性分で左右されるところなのだが、工夫次第ではコミュ障でも完全な人間嫌いでない限り、テクニックで雑談力をカバーできるのでは、ということに気がついた。さらに、最初はテクニックに頼っていても次第に他人への純粋な興味を持てるようになるかもしれない、という淡い期待も持っている。

なんでこんなことを書くかというと、結局人脈は宝なのだ。文字通り金運を連れてくることもあれば、経験値を上げるのに役立つこともある。そして人脈を作るにはコミュニケーションの力がどうしてもいる。今欲しいものといったら、やはりコミュ力だなあ。

サンタさんが来るまでにはまだ半年あるけれど。

おっと、大事なことを書き残していた。
コミュニケーションは基本、情報のやり取りから始まるが、相手から何かを得ようとするなら、まず自分の中に差し出せる何かを用意しておかなくてはいけない。なんで今までコミュニケーションが苦手だったかというと、人様に公開できるような何かを自分は持っていないとずっと思い込んでいたからだ。正直、今も対して持っているとは思えないが、少なくとも「私はこういう人間です」と臆面なく伝えられるようになったら少しは変わるかもしれない。

いくらなんでもサンタさんに「人に語れるような中身を下さい」とは頼めないな。たぶん「すでに持っているものは贈れない」と拒否られるのがオチだ。