この９月末に中編をひとつ、公募に出してきた。９月は町内会行事がないから楽勝～♪　と思っていたが実は１０月にある運動会の下準備を始めたり、子どもたちの文化祭や体育祭に顔を出したり、トリエンナーレに出かけたりと、なかなか予定が詰まっている月だった。
「忙しい」を言い訳にしているうちは何もできないので、とにかく書けるときに書く。時には職場にタブレットを持ち込んででも書く。で、何とかそれらしい形に書き上げた。
今年はリハビリの年なのて、出来不出来はともかく、期限までに要求された形のものを書いて出す、という作業ができるようになるのが目標。
これで今年の公募ミッションは３つ目のクリア。あとは年末に出す短編がひとつあるので、それに向けてネタ練り。

で、ここからが本題。

緊張＆タイトスケジュールな日々から少しだけ解放されて、近場の中古書店までヒラサワ曲をお供に車を走らせたわけだが、こういう時には、なかなか良い具合に脳みそのタガがゆるむ。
それで、今の時代に物語なり小説なりを書くにあたって、自分に一番合っている書き方はなんだろうとぼんやり考えていた。「一番合っている」というよりは「一番やりたい」と言うべきかもしれない。

物語、とくに児童向けの話を書くにあたっては、目に見えない「お約束」が多々あって、同人誌に所属していたころはそれを順守しようとして必死だったのを思い出す。でもある時、外部講師合評会で、その無理矢理ぶりを見ぬかれた。それは虚を突かれた気はまったくせず、よくぞ言い当ててくれました、という気持ちだった。実際その話を作っているときは、物語の「定形」にはめこもうとして苦しかったのだから。
たぶん、その時にやるべきはむしろ物語の破壊だったのかもしれない。心の底ではひたすらお約束を壊す方向に走りたかったのに、表面ではなんとかそれらしい形にしなくては、と焦っていた。

学校生活が心底苦手なら、もうそれをぶち壊す方向で話を作ればよかったのに。何も校舎を破壊したり教師をやっつける必要はなく、学校は集団生活と学びの場という暗黙の了解を解体してしまえばよかったのだ。

たとえば教室を授業の場とかホームルームとかいう目で見るのが普通だけれど、あえて教室をただの空間とみなし、違う用途で使ってみたらどうなるか（これは文化祭などでよくお目にかかるものだから、想像はしやすいと思うが）。ギャラリーになったり、迷路になったりミニシアターになったり、写真スタジオになったり。

解体するのは学校だけでなく、自分の家でも町でもなんでもいい。思いもよらない角度から眺めることで、「お約束」から自由になれたら、もう少し人生楽に生きれるんじゃないかと思う。それを言葉を紡ぐことでやってみたいなと感じた昼下がりのドライブ。

結局、中古屋書店ではたいした収穫はなく、大型新書店で目的のブツを手に入れたりして、たぶん今日のドライブは何かを得ることではなく、脳みそを解放する瞬間に一番意味があったと思われる。