心のつぶやきを吐き出す裏ブログです。
ブログのプロフィール
〈管理人名〉 O-bake
〈趣味〉 創作とクラシック音楽
〈主な内容〉
創作に関する覚書
ごくたまに掌編を掲載
テリトリーは童話からYAまで
〈お願い〉
時々、言葉が足りないために意味不明な文章があったり、攻撃的な文章がありますが、ここは毒吐き場なので、どうぞ見過ごしてやってください。
〈連絡先〉
管理人へのメッセージは、こちらのフォームからどうぞ
〈本家ブログ〉
びおら弾きの微妙にズレた日々
(一方通行です)
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「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
をようやっと読み終えた。
本当は4月中に読み終えているはずだったのが、ありがたいことに某方面から大量に本を貸していただき、そっちの消化で忙しかったのだ。それにヤボ用もたくさん入ったし。
で、春樹ファンとして、期待に満ちて(だって、いかにもそそるようなタイトルw)読み進めたのだが。
途中まではいつもの調子でなかなか面白かった。
ところが最後のクライマックスがあまりにも直球すぎて、物語としての面白みが削がれてしまったような気がする。
これまでの作品では具体的な描写が省かれてきた「暴力」(魂を損ない、人生を曲げてしまう大きな力)について、この作品ではかなりはっきりとした形で描かれている。だから暴力によって傷つけられた主人公たちの回復の手順も比較的わかりやすい。美しい大自然の中、はっきりとした言葉の応報によって傷を受け入れる準備ができる。これがほかの作家なら感動できていたものを、なまじ村上ファンなので物足りなさを感じる。これまでの村上作品は、暗示的でわかりにくさが多かった分、言葉ではどうしても届かない闇の境地へ導かれる感覚があったのに、今回はそれがあまりなかったので残念。
ただ、魂の癒しというテーマは確実に読者の心に届くだろう。深い傷をいかに乗り越えてゆくか、が丁寧に描かれていて、ある種の人たちにはクリティカルヒットに違いないと思わされる。特に主人公と同じか、もう少し若い人たち。十代のころにやらかしてしまったあれこれで、魂に傷がついてしまったままなすすべもなく過ごしてきた人たちにはちょうど良い本なのでは、と思う。
あるいは震災(阪神や東北)で図らずも傷ついてしまった人たちへのエール。作者にしてみれば、いつもの文体をある程度犠牲にしてでも伝えたいテーマだったのかもしれない。
これからインタビュー記事その他に目を通してゆくので、村上氏の思惑が多少はわかってくるかもしれない。
をようやっと読み終えた。
本当は4月中に読み終えているはずだったのが、ありがたいことに某方面から大量に本を貸していただき、そっちの消化で忙しかったのだ。それにヤボ用もたくさん入ったし。
で、春樹ファンとして、期待に満ちて(だって、いかにもそそるようなタイトルw)読み進めたのだが。
途中まではいつもの調子でなかなか面白かった。
ところが最後のクライマックスがあまりにも直球すぎて、物語としての面白みが削がれてしまったような気がする。
これまでの作品では具体的な描写が省かれてきた「暴力」(魂を損ない、人生を曲げてしまう大きな力)について、この作品ではかなりはっきりとした形で描かれている。だから暴力によって傷つけられた主人公たちの回復の手順も比較的わかりやすい。美しい大自然の中、はっきりとした言葉の応報によって傷を受け入れる準備ができる。これがほかの作家なら感動できていたものを、なまじ村上ファンなので物足りなさを感じる。これまでの村上作品は、暗示的でわかりにくさが多かった分、言葉ではどうしても届かない闇の境地へ導かれる感覚があったのに、今回はそれがあまりなかったので残念。
ただ、魂の癒しというテーマは確実に読者の心に届くだろう。深い傷をいかに乗り越えてゆくか、が丁寧に描かれていて、ある種の人たちにはクリティカルヒットに違いないと思わされる。特に主人公と同じか、もう少し若い人たち。十代のころにやらかしてしまったあれこれで、魂に傷がついてしまったままなすすべもなく過ごしてきた人たちにはちょうど良い本なのでは、と思う。
あるいは震災(阪神や東北)で図らずも傷ついてしまった人たちへのエール。作者にしてみれば、いつもの文体をある程度犠牲にしてでも伝えたいテーマだったのかもしれない。
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