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心のつぶやきを吐き出す裏ブログです。
ブログのプロフィール
〈管理人名〉 O-bake

〈趣味〉 創作とクラシック音楽

〈主な内容〉
創作に関する覚書
ごくたまに掌編を掲載
テリトリーは童話からYAまで

〈お願い〉
時々、言葉が足りないために意味不明な文章があったり、攻撃的な文章がありますが、ここは毒吐き場なので、どうぞ見過ごしてやってください。

〈連絡先〉
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〈本家ブログ〉
びおら弾きの微妙にズレた日々
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その昔、アメリカ文学をかじる学生だったころ、ゼミで教授が「オー・ヘンリーの作品は文学ではない」と宣ったことがあり、その時は深く考えることもできず、そういうものなのかと記憶に留めおくだけだった。
今、Facebookにしばしば現れる「いい話」を読んでいると、ああそういうことだったんだな、と、教授の意味するところが腑に落ちるようになった。

シェアされて回ってきたり、あるいは企業広告の前振りとして「ちょっといい話」は少なくとも3日に一回の割合で目撃する。白い方の都市伝説とでもいうべきこれらの話は、どれも一種の匂いみたいなものを振りまいていて、それは某2ちゃんねるの「泣ける話」とか、いい話のコピペ板とかとよく似てる。
最初は本当に事実としての「いい話」があったかもしれないが、それが人から人へと伝わるうちに尾ひれ背びれがつき、フィクションとして完成度を高めつつ、またバージョン違いを生み出しつつ、あちこちに広がる。
「イイネ」はその時の気分によって押したり押さなかったり。その話が事実かどうかなんて関係なく、精神にとってはお菓子やジュースの類といっしょで、一時的に気分が良くなるだけのものだからね。

オー・ヘンリーは、確かにニューヨークで売れっ子になった。彼はきっと、どんなふうに「ちょっといい話」を作れば人々に受けるのかがよく分かっていたのだろう。それは「イイね」が欲しくて感じのいい記事をせっせとネットに上げる行為、あるいは人寄せをするためにいい話を利用するコマーシャル的投稿と根っこの部分で通じている。

別にそういう清涼飲料水みたいな話はあっていい。ただ、文学とは違う、というだけのことだ。



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