職場を変わってしまった友人とランチデートをしてきた。
日本茶専門店で、美味しいお茶付きランチを頂いたのち、新緑の中をドライブし、隣市の自然公園まで出かけて散策コースを歩く。

自然公園といっても、山の中に少々手を入れてキャンプ場やアスレチックを設置した程度のもの。散策コースははっきり言って山道。「イノシシ注意」の立看が目につく。「マムシに注意」でないだけまだマシだが、小さな尺取り虫があちこちにぶら下がっていて、避けるのが大変。鳥が誰にも遠慮することなく大声で会話しているのが聞こえる。はっきり言いましょう。うちの裏山とほとんど変わらない環境です。
陽気はまるで初夏だし、日差しも坂の勾配もきつく、大汗かきながら公園内を半周する。

一口に山道といっても、そしていくらうちの裏山に似ているといっても、実は土地ごとに特有の「気」みたいなものがある。植生や土地の向き、川がどんなふうに流れているか、などの条件が重なってその山特有の雰囲気が生まれてくるというか。

自然歩道を歩きながら何を感じていたかというと、まずその土地自身が持つ空気、よく似ているけどやはり違ううちの裏山の空気、自分が物語世界の中に作り上げた「自然公園」の様子（こんなにワイルドな設定ではないけれど、展望台の付近が参考になるかも、と）、そして隣を歩く友人のオーラみたいなもの。傍目からみたら、ただ自然を見物しながら歩いているようにしか見えなかっただけろうが、本人の頭の中は大忙しで、目の前にぶら下がっている尺取り虫を避けるヒマもないほど。

ドライブしながら見える景色は新緑でいっぱいで、その道は、昔、子供らを乗せてオーケストラの練習会場へ向かった道でもあり、今はオーケストラも子どもたちも全然違うところへ言ってしまったけれども、新しく得た友人を乗せて再び同じ道を走れる幸せを思うと、しみじみしないわけにはいかなかった。