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心のつぶやきを吐き出す裏ブログです。
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〈管理人名〉 O-bake

〈趣味〉 創作とクラシック音楽

〈主な内容〉
創作に関する覚書
ごくたまに掌編を掲載
テリトリーは童話からYAまで

〈お願い〉
時々、言葉が足りないために意味不明な文章があったり、攻撃的な文章がありますが、ここは毒吐き場なので、どうぞ見過ごしてやってください。

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びおら弾きの微妙にズレた日々
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あ、間違えた。「やる気」をもらった。だった。

長年積ん読になっていた、ル=グィンの「夜の言葉――ファンタジー・SF論」を読了した。
あまりわかり易い言葉では書かれておらず、かつては途中で挫折したものだけど、今は「闇の左手」や「風の12方位」を読んだ勢いで、ル=グィン氏の言葉がするする入ってくる。あるいは勢いだけでなく、こっちの受け入れ態勢もある程度整ったせいかもしれない。



前々から、ファンタジーとSFは同じ根っこから生えた2本の木だと思っていたが、ル=グィン氏の講演や論評を読むと、氏も同じ捉え方をしているのがわかってほっとした。どちらも作者の中にしかない空想ワールドの物語でありながら、その世界をたどることでしか得られない真実を持っているもの。

「真実」。ル=グィン氏は、小説を書く目的は事実を書くことではなく、「真実」を語ることにあると述べている。その「真実」というのは個々人の内面を深く掘り下げる作業によってしか到達できないのだと。
その作業のとっかかりがひとつのヴィジョンだ、というのが興味深い。例えば「闇の左手」は氷原をそりを引いて渡る二人の人影。名前も性別もわからないまま、最初はそのヴィジョンを追求することから始まったのだという。実は、日本のファンタジーの書き手としてトップを走る上橋菜穂子氏も、最初はヴィジョンから物語が始まると語っている。有名な「精霊の守り人」の場合は、中年に差し掛かった女性が、血のつながりのない幼い少年の手を引いて逃げているイメージが発端だったという。最新刊の「鹿の王」も、奴隷として働かされている男性の姿から始まったという。
これはどういうことなのだろう。両者ともに、深層意識からひょこっと何かが顔を出した瞬間を捉えることができるというのだろうか。とにかく、ふたりのファンタジー作家は、これらのヴィジョンを説明できるような世界を構築し始め、とうとう壮大な物語世界を築き上げてしまうのだ。

ではどうすればそんな技が可能になるのか。ル=グィン氏の答えは至ってシンプルで素っ気ない。1. タイプを打てるようにする(現代ならPC入力を問題なくできるようにする)。
2. 辞書を傍らにおいて正しい言葉遣いを身につける。
3. 出版社送付用の正しいレイアウトを覚える(現代日本なら公募で求められた書式を正しく守る)。
4. ひたすら書く。恐れず怠けず真摯に書く。

そう、自分に足りてないのは4番だけだ。

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