公募をひとつクリア。
今回の送り先は賞金が高額なので本気だそうと頑張ってみたが、最初に予定していた新作はなかなか筆が進まず、途中で旧作の焼き直しに切り替えた。世界観が出来上がっている作品は、やはり筆の進みが早い。たとえ半分以上新規に書きなおすとしても。

原稿用紙１６０枚→１２０枚という切り詰めバージョンの作成で、これは登場人物を一人か二人減らさなくてはいけないかも、と思っていたが、よくよく構成を見てみたら前振り部分が不要だった。書いた当時は大切な部分だと思っていたし、物語の設定を組んだり世界観を組み上げるには書かなくてはいけない前振りだったが、それは建設現場の足場のようなもので、いったん世界ができあがってしまえば、外しても案外大丈夫だった。
そして、読者にとっては、前振りは短いほうがいい。物語を把握する上で必要最低限の情報があればいいのだ。
ということで、ばっさり前半をけずり、ゴール地点を明確にし、地図を頭に置きながら書いたら、キャラを削る必要はなく（統合はあった）ちゃんと４０枚のダイエットに成功した。
昔書いた文章を見て、あまりのアレさに悶絶することは多いが、今回はあまりの冗長さにめまいが起きた。当時、書きなおせば直すほど無駄を削ぎ落とすどころか、逆に枚数が伸びるという病にかかっていて、どうやって直したらいいものか大いに悩んでいたのだが、今頃になって解答が見つかるとは。
ただし、冗長に見える部分も、物語世界やキャラの持つ空気を作るためには必要なところもあって、とにかくシンプルがいいとも言えないし、文章修行の道のりは長いなとしみじみ感じたのだった。