ダンナの実家が焼け、続いて東日本大震災がおきてからおおよそ二ヶ月半になる。義父が亡くなってからは約二ヶ月。忌明け法要が終わり、遺産相続に関する相談も概ね終わり、あとは実行するのみ。
とはいえ、義父はいろんなことに手を出していて、しかも片付けをしない人だったので、後始末しなくてはらならいブツがあまりに多く、家族総出で動いてもあと半年はかかるだろうなぁ、という状態。
それに加えてダンナが自分の持ち物の整理を初めてしまい、今は自分ちの中までもがカオス。
犬は相変わらず朝夕にキャンキャン吠えるし、甘えっ子だし頑固だし。

いつになったら元の静かな生活に戻れるだろうかと、３月のうちは思っていたが、最近ではもう、あの頃の状態には戻れないな、とあきらめがついてきた。

雑務が終わっても、自分の中の一部も終わってしまっているからねぇ。
例えて言えば、ドーム都市の屋根が壊れてしまったということだ。

地震と津波によって、日本の東半分が壊滅状態になってしまったように、また、原発の安全神話がすっかり崩壊したように、家の火事と義父の死がもたらしたものは、ある意味安心安全に包まれていた日常生活を打ち壊してしまった。

さらに、児童文学の同人誌とオーケストラ活動を休止したこともじわじわ効き始めている。「やめなきゃよかった」という後悔ではなく、「どうしてあんなにムキになって続けていたのだろう」という醒めた気持ちが自分の中で支配的になりつつある。

今の生活は、家事と、生活にかかわる雑用と、家族（含む犬）の世話と、事務員としての仕事で成り立っていて、たまにピアノのレッスン、時間ができたときに展覧会やコンサートに出かける。インターネットで遊ぶ時間は徐々に減って、今はたまにミクシをまとめ読みする程度だし、ツイッターはほとんど見ていない。以前は魅力的だった数々のつぶやきが、今では中身のない空虚な言葉遊びに感じられる。本も、物語系はとても読む気になれない。過去に自分が書いた作品を思い返してみても、内容の浅はかさばかりが気になる。

そして思うのだ。今のこの生活のどこが問題なのか？　物語を読まなくても書かなくても、そして音楽にどっぷり浸からなくても命に別状はないじゃないかと。