数日前から世間、特に音楽関係者を震撼させている作曲者詐称事件。

不謹慎ながら、自分的にはものすごい面白いワイドショーを見ている気分で、色々な記事を拾っては読んだ。

様々な反応がある。騙された怒り、「やっぱり」と溜飲を下げる人、詐称を見抜けなかった某国営放送への非難、ゴーストライターをしていた人への擁護意見、ウソを見抜けなかった「大衆」に対する上から目線。
この件に関しては良記事がいくつか出ているので、自分は表でまとめ記事を書くようなことはしないが、自分が得た気付きとして今回の騒動のポイントをあげておく。

・人は音楽を聞く時、音そのものだけを評価しているのではない。その音楽にまつわるストーリーもいっしょに鑑賞している。今回の事件でその事実に気づいた人多数。
・日本人は「いい話」が大好きな上、その真偽を疑うことは嫌うので、そこにつけ込んだプロモーションが流行している。
・一人がアイデアを出し、もう一人がそれを具体化するという作曲手法そのものはアリ。最初からそのように明示してあればＯＫなはず。
・現代においては、優れた作曲家ほど、尖った現代音楽に走り、わかりやすく聴衆に受けやすい音楽は仕事として依頼されない限り作りにくい。

　これは音楽関係者の間で何年も語り継がれる事件になるんじゃないかな。